カネコアヤノの無観客ライブ映像『カネコアヤノ 単独演奏会「さいしん」2020.6.25 ザムザ阿佐ヶ谷』を観ました。
会場では4人が中心に向かって十字に向かい合うような形で演奏していて、音楽で一つの世界を作り上げている感じや熱意がひしひしと伝わってきます。まるでこのザムザ阿佐ヶ谷の舞台の中央に音楽を捧げているような雰囲気があります。
メンバーのそれぞれの足元には小さな絨毯が敷かれていて、これは新型コロナの今の状況を仄めかす舞台装置なんだろうな。つまりは絨毯は家の比喩であり、また人と人との距離の可視化です。
『カネコアヤノ 単独演奏会「さいしん」2020.6.25 ザムザ阿佐ヶ谷』
無観客ライブとしては誰もいない客席を向いて歌う形式もありえましたが、彼女たちが選択したのはそうではなく4人だけのクローズなライブということなんでしょうね。どうしたって閉じていることしかできない今だからこそ、取り繕ったような(つまりあたかも観客がいるかのように振る舞う)ライブをしない。そういうところが彼女の良さだと思います。「すべてのこ〜とに〜理由がほ〜しい〜♪」と歌ってますからね。
僕たちは彼女らの演奏を覗き見しているような感じです。カネコアヤノのライブはほとんどMCもないし、もともとそういう性質があるのかもしれないな。作り上げた世界をほんの1、2時間観賞させてもらっているような素敵なステージです。
もちろん音もいいですが、照明やカメラワークが実に格好いいです。バンドメンバー、衣装、撮影、演出、音響etcとたくさんの人が関わっているんでしょうけれど、一緒に作り上げていく人に恵まれてますます良さが引き出されていきますね〜。
ちなみに林の長尺ギターソロもしっかり健在でファンとしては嬉しかったです。引きで撮っているときは足元も見えているので詳しい方なら使用機材もわかっちゃうかもですね。
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今回のライブでは定番曲のアーケードを珍しくやらなかったですね〜。曲数も増えてきてセットリストはこれからどんどん変わっていくんだろうな、楽しみです。