カールコードは格好が良い。
昭和世代には黒電話の受話器から伸びているあれ。
ギタリスト的にはJimi Hendrixのギターから伸びているあれである。
クルクルとコイル状に巻いたケーブルで、英語ではcoil cableと呼ぶ。
ストレートケーブルが多数の現代ギターシーンでは、カールコードは懐古的な代物だろう。
チープで粗野なイメージを持たれる方も多いかもしれない。
かくいう僕も先の年末にアメリカ製のビンテージラップスチールを手に入れたことで、俄然懐古趣味が盛り上がってしまったのである。
年明けの御茶ノ水をぶらぶらと冷やかしながら目当ての楽器屋で入手した。
香川のFurious Note Guitarで製作されているMoja Cableである。
真っ赤なケーブルだ。
手に持つとコイルがばるんばるんと震えるような感触。
ストレートケーブルにはない重量感が感じられてなかなか良い気分である。
ところで一般的にシールドは短ければ短いほど音質の劣化を免れる。
カールコードはその巻きの分だけ全長が伸びるわけで音質的には不利だ。
まぁその劣化(所謂ハイ落ち)が往年のサウンドに貢献しているという話もよく聞くところである。
Moja Cableはコイルを縮めた状態でこそ2m程度の短さだが、説明書きによると全長は7.5mもの長さになる。
それではさぞや劣化が、、と半ば諦め半ば期待して弾いてみる。
不思議なことに予想を裏切るクリアで太い出音で満足できた。
プラグはswitchcraftにハンダはkester44という、いわば定番な組み合わせだがどこかに製作者によるマジックがあるのだろう。
パッケージには「赤いカールコードって最高にかっこよくないっすか?」と書かれていた。
赤いカールコードは最高に格好良い。同意だ。
まぁ、さすがにロックすぎる見た目なのでジャズのセッションには持っていかない(多分ね)
ただ音質的には十分にいけると思う。
ブルースやらラテン系ならサウンド、ルックスともに持ってこいだ。